LABO"GC" PAINT LOG

LABO"GC"公式HPが設立されました!

徐々にはてなブログ内容を掲載していくと共にイベント活動情報なども発信していきますので、良ければ本ブログと合わせてご覧下さい!

https://labogc.com

 

-以下本文-

どうも!ゲームキューブコントローラーをメインに塗装やってます。ぴこと申します。

私の運営するDiscordグループLABO"GC"にて共有している情報を本ブログに転記していきます。初めてご覧になる方は目次内"初めにお読みください"を確認の上ご利用ください。

※無断転載、無断でのYoutubeをはじめとする動画サイトでの利用を禁止します。

※連絡先(Twitter):@Pcriy 

twitter.com

 

初めに

現状discordのみの運用では世間に周知させるという目的を達成してるとは言いにくい点、初心者~中級者までに技術を伝えるという点で塗装界隈の更なる発展に貢献できると思った点から実践していこうと思った次第です。

転記する内容は以下の通りです。
・ぴこ本人の作品履歴
・ぴこが書いた塗装に関する内容
・他要望があること

ここに投稿されたぴこ本人以外の内容については一切転記するつもりはありません。許可をいただいた内容または要望があれば他のメンバー寄稿内容も転記等告知も含め行っていけたらと思っています。

LABOイベント等告知するツールとしても利用できればと思っているので、今後のイベントにも貢献していくつもりです。

まだ大枠だけ作った状態で荒い部分もございますが、徐々に完成へと近づけていければと思っています。

よろしくお願いします!

f:id:Pico_LaboGC:20210606205559j:plain

BEGIN PAINTING

 コントローラー塗装初心者の方に向けた内容を書いていくページです。基本的なことを中心に書いていきます。

まずはここから!分解掃除の手引き

準備するもの

 

・コントローラー

・Y字ドライバー(画像中央)

・プラスドライバー #0 (画像左)

ティッシュ(吹ければなんでも○)

f:id:Pico_LaboGC:20210606201803j:image

①Yネジの取り外し

 

Y字ドライバーにてネジを6本抜く。定期的に清掃していないと画像が示すポイントが錆び付いている場合があるので注意する。

f:id:Pico_LaboGC:20210606201831j:image

②取り外し

ネジを抜いたら取り外し。この時、画像の向きで取り外すことで中のボタン等が飛び散ることも無く、基板が下手に外れることがないのでオススメ。

f:id:Pico_LaboGC:20210606201908j:image

③基板取り外し

まずZボタンを取り外す。結構簡単に取れます。次に基板を取り外しますが、画像2枚目のようにケーブルから取り外します。これをすると簡単に基板を取り外すことができます。

f:id:Pico_LaboGC:20210606202020j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606202016j:image

④スティック、ボタン等の取り外し

取り外すとこのような形になっていると思います。白いゴムのような物はフレームの方についていることもありますが、基板についていたらとりあえず剥がし、それに合わせてスティックも外していきます。

f:id:Pico_LaboGC:20210606202229j:image

外す際、裏のモーターを手で押えながらスティックを外すようにしましょう。
押さえていないとスティックを外そうとして基板を持ち上げた時、固定されていないモーターが基板から落ちてしまうために接続点に物理的な負荷がかかってしまう恐れがあり、断線のリスクがあるので気をつけましょう。画像のように指で押さえておくと良いです。

f:id:Pico_LaboGC:20210606202326j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606202321j:image

開けるとこんな感じ。かなり汚れてるのが分かると思います。コンラに不調を感じているのならまずここを綺麗にしましょう。隙間からホコリが入るので悪さをしている場合があります。

f:id:Pico_LaboGC:20210606202420j:image

続いて、これらもひっくり返して外します。ここはやれば分かります。

f:id:Pico_LaboGC:20210606202526j:image

⑤L、Rボタン部の取り外し

今度はプラスドライバーを使用します。ここのねじはYでは無いので注意しましょう。先程示した大きさのプラスドライバーであればすんなりと取れます。

f:id:Pico_LaboGC:20210606202626j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606202621j:image

黒いパーツを外したらLRを取り外します。画像のように挟むようにして、奥側に倒し込みながら取り出すと取りやすいです。

f:id:Pico_LaboGC:20210606202726j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606202722j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606202733j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606202730j:image

⑥清掃

ます基板以外のものを綺麗にします。ティッシュだと細かい繊維がボロボロするので、ウェットティッシュが望ましいです。筆者のように手元になければ数滴ティッシュに水を垂らし、本体を極力濡らさぬように拭き取ると綺麗にとれます。

フレームに関して、画像のような箇所に汚れが溜まる確率がかなり高いので、よく拭き取ると綺麗になります。

f:id:Pico_LaboGC:20210606202813j:image

スティックに関してはくぼみの部分(画像の箇所)が汚れている場合が高いです。操作感に大きく影響するのできちんと清掃しましょう。

f:id:Pico_LaboGC:20210606202845j:image

LRトリガーも拭きます。LRが効きにくくなってきたと感じたらここに汚れが溜まっていて、引っかかってしまうために効かなくなっていることが多々あります。

LRが壊れたということで引き取ったものが、掃除したら全く問題なかったというケースがあり、勿体ないなあと思うことが多かったのでしっかり拭きましょう。

f:id:Pico_LaboGC:20210606202921j:image

⑦裏側組み付け

ボタン等全て拭き終わったら組み付け。この時、画像のような順序で組み込みましょう。画像のようにLRの下には基板との接地面が着いているので、窪みにきちんとハマるように組み付けましょう。ミスると大変なことになります。

f:id:Pico_LaboGC:20210606203018j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606203028j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606203025j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606203022j:image

組み終わったら最初にプラスドライバーで外した部分を再度取り付け。これで裏側は完成です。次に進みます。

f:id:Pico_LaboGC:20210606203259j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606202621j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606203302j:image

⑧表側組み付け

まずスティックを組み付けます。1枚目画像のようにスティックを差し込む部分は凸のようになっており、雄側と雌側が噛み合うようになっています。はめる際に強い力は必要ないので、はまらないと感じたら凸部がきちんと噛み合っているかどうか確認し、慎重に取り付けましょう。

f:id:Pico_LaboGC:20210606203816j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606203821j:image

次にボタンもはめていきます。ここも強い力は要らないので、形をよく見て組みましょう。

f:id:Pico_LaboGC:20210606203902j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606202526j:image

次に基板との接地面を取り付けていきます。ここは画像を見た方が早く確実だと思うのでよく見て行いましょう。順序は画像の通りです。各部品に穴が空いており、フレームにピタリとハマる箇所があるのでよく見て取り付けましょう。

f:id:Pico_LaboGC:20210606203954j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606203950j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606203957j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606204000j:image

組み終えたらZボタンと共に基板を取り付けます。先にZボタンを画像のようにつけます。この時必ず画像のように取り付けましょう。

基板の取り付けの際に、先にはめたゴム状のものがズレているときちんとハマらないので注意です。確実に取り付けられたな、と思ったらケーブルを画像のようにはめ込んでいきます。

f:id:Pico_LaboGC:20210606204143j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606204151j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606204148j:image

⑨表裏組み付け

まず基板を見ると画像1枚目にて示している部分が左右にひとつずつ付いていますが、両方必ず一番上になっていることを確認してください。2枚目の部分と合わさるため、1番上にしていないと破損の危険性があります。注意が必要なので慎重にはめ込みます。

f:id:Pico_LaboGC:20210606204226j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210606204223j:image

前述した内容をふまえてはめ込みます。

この時、きちんと手順通りできていないと画像のように少し浮いた状態になってしまいます。この際は前述した内容をよく見てはめ込みましょう。

その後、ネジを閉めていくのですが、最初は全てのネジを緩く締め(仮締め)、きちんと組み付けられていることを確認しながらネジを強く締めていきます(本締め)。これをするとコントローラーに負荷を与えずに済むので、実践していただきたいと思います。

f:id:Pico_LaboGC:20210606204332j:image

ネジを締めたら完成です。

皆さんも綺麗なコンラで気持ちよくスマブラを行いましょう。

f:id:Pico_LaboGC:20210606204407j:image

 

塗るまでにすること(下処理)

塗装前にやっておくこと記載していきます。

筆者が塗装を行う場合ほとんど中古品を扱うため、中古品をリメイクする前提で話をしていることが多いのですが、新品を塗装する場合も同様の処理を行うことをお勧めしています。

 

①塗装前の状態チェック

新品であれば確認する必要はないと予想されますが、中古品の場合状態の把握を行ったほうが良いと思います。今回は画像のようなコントローラーにて塗装を行います。

ちなみに全体的に状態は最悪で、中古ショップなどでは到底売ることができないようなものを無償で引き取ったものです。ここまでボロくなったもののほうがリメイクしがいがあると思います。

f:id:Pico_LaboGC:20210624121508j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624121505j:image

ねじが錆によって死んでいました。
f:id:Pico_LaboGC:20210624121451j:image

分解したときにZボタンが折れていたのを確認しました。

コントローラーに挟まる形で維持されていたようです。
f:id:Pico_LaboGC:20210624121455j:image

②分解~洗浄
分解についてはまずはここから!分解掃除の手引きを参照し分解を行った後塗装を行う部分を水洗いします。

自宅に脱脂用のスプレーや溶剤がない場合、バケツに付け込んだ際に無色の中性食器洗剤で洗えば脱脂作業を兼ねることができます。脱脂作業については後述しますが、塗装に慣れておらずあまり購入品を増やしたくない方は一般的な中性食器洗剤で水洗いを行ってください。

f:id:Pico_LaboGC:20210624122953j:image

ブラシできっちり汚れを落とします。
f:id:Pico_LaboGC:20210624122950j:image

③乾燥

十分に乾燥させます。この段階で水分が残っていると後の塗装へ影響するので、きっちり乾燥させましょう。

f:id:Pico_LaboGC:20210624123631j:image


④下地処理

乾燥させたらやすりで軽く削ります。タミヤのスポンジタイプ600番が最も適していると思います。

タミヤに限る必要はないですが、スポンジタイプのやすりであればコントローラーの隙間や入り組んだ箇所を削りやすいため、ブロックタイプの使用をお勧めします。紙やすりでも問題ありません。

主な目的は塗装対象の表面積を増やす※ことであるため、かなり軽くで問題ありません。色によって見え方が変わり、黒やシルバーであればわかりやすいのですが、軽く粉が出る程度でよいです。

ただ、前述の洗浄で取り切れなかった汚れや目立つ痕等があるのであればこの段階で削ってしまうほうが良いです。この場合、再度粉を拭き取る等のちの塗装に影響が出ないようにする必要があります。

筆者としてはNintendoロゴ等の文字は消したほうが良いと考えていますが、傷がつく恐れもあるので慎重に行ってください。画像ではロゴが消えるまで削りを行っています。

(※)
表面積を増やすメリットは一度に塗料を吹いた時、着色面に触れる量が増える。塗料は材料と触れ合った時必ずその材料に付着する訳では無いので、できるだけ多く触れ合うことで付着する確率を上げるという認識で良い。

※この工程で使用したもの:タミヤ メイクアップ材シリーズ 研磨 No.148 タミヤ研磨スポンジシート 600 (1枚入) プラモデル用工具 87148 タミヤ(TAMIYA) 

www.amazon.co.jp

f:id:Pico_LaboGC:20210624121458j:image

f:id:Pico_LaboGC:20210624121512j:image

⑤プラスチックプライマー

先ほど下地処理を行ったため、このスプレーを吹く必要があるのかどうかは一概に言えない気がしていますが、今のところは吹き付けたほうが良いと判断しています。

全体的にまぶすように吹き付けていきます。削り痕が目立ちにくくなる程度まで吹き付けられれば問題ありません。

黒やシルバーといった色であれば吹き付け具合がわかりやすいのですが、白に関しては大変わかりにくいものとなっていますので、慎重に吹き付けを行い、少し艶がでてきた段階で止めるくらいがよいと思います。

※この工程で使用したもの:アサヒペン プラスチック用プライマー 300ML クリヤ アサヒペン(Asahipen)

www.amazon.co.jp

※画像は別のコントローラーですが、使用したスプレーは同じものです。
f:id:Pico_LaboGC:20210624121448j:plain

 

⑥下地処理完成

ここまでできれば完璧です。

着色以降は他ページを参照ください!

 

誰でもわかるスプレー塗装のコツ(着色)

f:id:Pico_LaboGC:20210607143955j:image

今回はなるべくエアブラシで塗るようなハイクオリティを目指したいので、かなり薄めに吹きます。

グリップ部分の画像1枚目は塗る前、2枚目は1回目の着色後の画像です。これをかなりの回数繰り返します。

f:id:Pico_LaboGC:20210607144108j:image

f:id:Pico_LaboGC:20210607144033j:image

全体はこんな感じ。

f:id:Pico_LaboGC:20210607144240j:image

こんな感じになるまで繰り返します。めっちゃ時間かけて焦らずゆっくりと。

f:id:Pico_LaboGC:20210607144315j:image

※ エアブラシと違い、中のガスが一定に放出されない場合があり、出始めと出終わりに水滴が飛んでしまう恐れがあります。

スプレーで塗る時はコントローラーの外から塗料を出し始め、過ぎてから止めるよう意識すると良いです。

f:id:Pico_LaboGC:20210607144539j:image

塗装距離はこのくらい。コントローラーの塗りたい面の角度に合わせて角度は変わっていきますが、この距離を維持します。

紙に吹いた時、花マルのようになっていればOKです。×マークは近すぎて濃くなり過ぎてしまいます。

f:id:Pico_LaboGC:20210607145428j:image

f:id:Pico_LaboGC:20210607144532j:image

スプレーの悪い所はこういうダマが放出され易いことです。

スプレーだとこれを補強するのがかなり難しいと思っているので、とりあえず綺麗に落として何とか重ね塗りを繰り返すしかありません。ここで焦ると逆効果です。


f:id:Pico_LaboGC:20210607144526j:image

何とか塗り終わりました。ダマが分からなくなるまで地道に塗りを重ねると綺麗になります。少しずつ少しずつ丁寧にやりましょう。
f:id:Pico_LaboGC:20210607144529j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210607144546j:image

適当にマスキングはりはり。
f:id:Pico_LaboGC:20210607144553j:image

塗りました。前述したように、慎重に時間をかけて塗装しています。今回は薄く塗るためにちょっとだけムラを残してます。この薄さをキープしつつガチガチに塗るにはエアブラシが必須になるのかな?と改めて思いました。
f:id:Pico_LaboGC:20210607144550j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210607144536j:image

塗ったもの剥がしてみました。ムラを残したおかげでマスキングの境目に段差を作ることなく色分けすることができました。本来であれば薄め液で薄めた緑塗料をムラに吹きたいところですが、スプレー縛りということでムラを直さずこのまま完成させる方がかっこよく見えると判断したのでここまでにしました。
f:id:Pico_LaboGC:20210607144600j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210607143857j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210607144557j:image

クリアを塗って完成。

塗った後にすること(クリア塗装・後処理)

クリア塗装について
塗った後にすること記載していきます。

基本的に艶出しを行うことを前提に話をしていきます。

①塗装前のホコリ取り
とにかくホコリを取ります。筆者はエアブラシがあるので、空気を吹き付けたりブラシでホコリを除去していきます。

この工程で使用したもの
モデルクリーニングブラシ 静電気防止タイプ 74078 タミヤ(TAMIYA) 

http:// https://www.amazon.co.jp/dp/B01LZC0A3Q/ref=cm_sw_r_tw_dp_GVW2CH6Z04H7SE7DYJ12

f:id:Pico_LaboGC:20210920102331j:image

 

②クリア塗装(1回目)
使用塗料はウレタンクリアーです。

全体的に薄く塗っていきます。基本的な塗り方は 誰でもわかるスプレー塗装のコツ(着色) と同様です。スプレー系は基本この流れで行うので、クリア時に気を付ける内容はクリアの吹き付けペースと辞め時かと思いますので、画像のようなペースで塗り進めるのが良いと思います。

 

この工程で使用したもの

SOFT99 ( ソフト99 ) ペイント ボデーペン ウレタンクリアー 08006 [HTRC2.1] ソフト99(Soft99

https://www.amazon.co.jp/dp/B0036D9Q6C/ref=cm_sw_r_tw_dp_12J3R2G9C8M19ENBWNPQ 

f:id:Pico_LaboGC:20210920102407j:image

 

参考に回数と艶の比較ができるよう三段階に分けて画像を示します。
場合によって3回ではなくもっと細かく慎重に塗装するべきところでもあるので、慣れないうちは6回くらいに分けて塗装を行うとより良いものに仕上がると思います。


・一回目
ほぼ塗る前と変わらず、ほとんど艶が出ていないのがわかると思います。
二回目→三回目間で一気に艶が出るので、焦らず慎重に行ってください。

繰り返しますが、一回目で艶を出す必要はありません。

f:id:Pico_LaboGC:20210920102509j:image

・二回目
少し艶っぽくなってきたかと思います。
少し艶が出てきたところで間を開けることでクリアの垂れや塗りすぎを防ぎます。

また、環境にもよりますが間を開けて作品から目を離すことで作品を冷静に確認できるメリットもあるので、きちんと間をとることが大切です。

f:id:Pico_LaboGC:20210920102531j:image

・三回目
三回目といっても一気に塗っているわけではないですが、工数としては三回目で完成となります。

二回目→三回目間の艶の出だしが見えるようになると作品の出来栄えがかなり上がります。
最初のうちはクリアを吹く回数を増やし、最終的に画像のような艶が出せることを目標に塗装を行うとよいかと思います。

上手く塗ると、画像のようにあかりに反射して映りこみます。

f:id:Pico_LaboGC:20210920102555j:image

 

マスキングを上手くやるコツ

~初めに~

"マスキングが上手い"とは?

"マスキングが上手い"とは、完成した作品が以下の要素が満たされているとき、認識されると考えられます。

 

要素① 色と色の境界に段差がない

要素② マスキングをした箇所に滲みや色の混ざりがない

要素③ マスキングをして出来上がった模様が崩れていない

 

これら全てが満たされることで初めて"マスキングが上手い"と認識されるというのはなかなか難しいものであり、難易度が高く感じる方も多いと思いますが、本記事に書いてあることをひとつずつこなしたとき、簡単に全て解決することができます。ポイントごとに細かく説明をしていきますので、参考にしてください。

皆様の塗装をよりよくできれば幸いと思います。

 

要素① 色と色の境界に段差がない

・境界の段差とは?

そもそも、”色と色の境界の段差”の有無とは、どのようなものなのかわからない方も多いと思いますので、参考画像にて示します。

画像① 悪

画像② 良

比較するとわかりやすいと思いますが、1枚目の画像は色と色の間に不自然な段差があり、光の反射によって段差が光って見えてしまっています。世の中で売り物として出ている製品の多くはこの境界がなく、あたかもその製品そのものが元からそういう柄になっているのではと錯覚するほど綺麗に加工されているものが多いと思います。(純正のGCコンやプロコン等)

この光の反射が起こる起こらないによって圧倒的な見栄えの差が生まれてしまいます。

逆を言えばこの要素を攻略することで純正品レベルまでの完成を生み出すことができるのではないかと思っています。

 

・境界はなぜ生まれる?

なぜこれが起こるのか。それは”マスキング前後で塗料の厚みが大きく異なっている”からです。

塗料は基本的に吹き付ければ吹き付けるほど厚みを増していきます。色を区切って変えていくということは塗料を前の色を後の色で”覆い隠し”、後の色を発色させるわけですから、当然マスキングで隠している部分よりも後から塗ったもののほうが厚みが大きくなります。

画像③

 

・境界をなくすにはどうするの?

解決する方法は主に2種類存在しています。

① マスキング前後で厚みが起こらないように薄く着色する

② クリア加工を行うとき、その厚みごとクリアで覆い隠し、クリアを平らにすることで光の反射を均一にする

この2種類は、簡単に言うと”着色を改善する”か、”クリア加工で誤魔化す”かと言い換えることができます。

当然、両方を駆使してより良い作品を作るのがベストな選択ではあるのですが、ここではそれぞれの方法をできるだけ詳しく説明していきます。

 

①マスキング前後で厚みが起こらないように薄く着色する

薄く着色する、といっても色を薄くするわけではありません。薄く着色するということは”できるだけ少ない吹き付け量で確実に発色させる”ことを示します。

確実な発色を目指すためには、”色の相性の良い組み合わせ”での着色を行う必要があり、これを理解し実践することで確実に薄い着色を実現できます。例外についても触れていきますが、ここでは一旦色相性とそれを理解するために必要な知識を説明していきます。

 

・塗装における”色相性”とは?

一般的に色の相性というと色と色のデザイン性が良い相性ということを思い浮かべる方も多いと思いますが、塗装における色相性とは隠蔽率または隠蔽力が確保できる相性であると考えています。

隠蔽率とは、塗料が下地の色の差を"覆い隠す"度合(数式を用いて算出)。

隠蔽力とは、塗料が素地の色又は色差を"覆い隠す"能力(見本品を設けて比較する)。

いずれも"覆い隠す"という言葉が登場します。覆い隠すとは、"下の塗料の色を隠しながら、上の塗料を発色させること"と言い換えることができます。

隠蔽率または隠蔽力が確保できている相性とは、発色させやすい相性ということにつながります。発色させやすいということは発色するまでに必要な塗料の総量が少なくすむため、結果的に塗料の厚みが小さいものになります。

 

続きは後に!

PICO PAINT LOG

筆者が作成した作品を中心に工程を写真で表現していきます。

運営しているDiscordサーバーには全ての作品を投稿していますが、ここではそれぞれ特色のある作品を選び掲載しています。

ほとんど写真のみの掲載ですが、一部作品には解説がついていますので、参考になれば幸いです。

 

1st-p-ラップ塗装(写真のみ)

塗装ブース実装後初塗装になります。

当時はまだスプレーを使用していたので、複雑なことは行えない状態でした。

雑に塗ってもよく見えるラップ塗装を実施しています。

f:id:Pico_LaboGC:20210624144216j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144241j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144220j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144230j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144227j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144233j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144213j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144237j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144224j:image

 

2nd-メタグロス-2色塗分け(写真のみ)

こちらは2色を塗り分けて塗装しています。

この作品は後々静岡県で行われていた某大会の景品となりました。

f:id:Pico_LaboGC:20210624144658j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144638j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144704j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144652j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144655j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144641j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144645j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144635j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144701j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210624144648j:image

3rd-hero-艶消しクリア、裏面木目塗装(写真のみ)

エアブラシ、カッティングマシン初導入作品です。

全体的なクオリティの向上、作業スピードの向上など、スプレー時から大幅に改善できた作品です。

 

元デザイン

 

 

デザイン案

f:id:Pico_LaboGC:20210907131512j:image

f:id:Pico_LaboGC:20210907131914j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210907131919g:image
f:id:Pico_LaboGC:20210907131917j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210907131102g:image

f:id:Pico_LaboGC:20210907132030g:image
f:id:Pico_LaboGC:20210907132048j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210907132051g:image
f:id:Pico_LaboGC:20210907132045j:image

f:id:Pico_LaboGC:20210907132743j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210907132735j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210907132729j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210907132740j:image

 

完成✨
f:id:Pico_LaboGC:20210907132732j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210907132738j:image

完成後、納品会を行いました‼️

 

こちらの工程についてはTwitterにて記載を行っていますので、是非ご覧ください‼️

 

 

4th-streetfighter-"剥がし"(写真のみ)

f:id:Pico_LaboGC:20210908105333j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105338j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105328j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105331j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105345j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105336j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105341j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105353j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105348j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105343j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105351j:image

5th-ganmetallic-TAKERA(写真のみ)

f:id:Pico_LaboGC:20210908105539j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105519g:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105537j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105544j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105552j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105549j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105542j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105547j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105535j:image

6th-metaknight(一部解説有)

f:id:Pico_LaboGC:20210908105945j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105950j:image

 

たまには解説をつらつらと...参考イラストを考えている時から決めていた今回のコンセプトは以下の通りです。

①グリップ部分を3色にする(初挑戦)
②グリップ部分をグリップ中間から色分けする(初挑戦)
③キャラコンセプトをできるだけ守る
④裏面は飾らずシンプルに
単色塗りの解説は過去に沢山やっているので省きます(ここまでの塗りは過去と同じやり方でやりました。)

意識したこととしてはなるべくグリップ部分以外には色を乗せないようにしました。

色を乗せたくないなら上部にもマスキングすればいいのでは?と思ったそこのあなた!!いいセンスです。しかし、それをしてしまうとマスキングとの境界線で段差が生じてしまう恐れがあり、これから塗る色は隠蔽率が高めなのでマスキングを施すレベルではないと判断しこのままやりました。楽できるし一石二鳥ってやつですね。


f:id:Pico_LaboGC:20210908105928j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105936j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105948j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105931j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105953j:image

 

クリア吹いて完成!今回は2液ウレタンを採用しました。


f:id:Pico_LaboGC:20210908105938j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105933j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105941j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908105943j:image

 

7th-rosalina-(解説有)

工程①( 塗るまでにすること(下処理) を終えた後 )

紺色コンに白サフを塗る。

f:id:Pico_LaboGC:20210908110344j:image

塗りましたf:id:Pico_LaboGC:20210908110302j:image

 

工程②
乾燥時間の間にシートを切る。

f:id:Pico_LaboGC:20210908110315j:image

 

工程③ (画像は塗った後ですが、塗る前にやります)

切ったマステを貼る。


f:id:Pico_LaboGC:20210908110305j:image

 

工程④
金に塗る。

使用塗料:タミヤラッカー塗料シャンパンゴールド

今回の希釈量は塗料4、薄め液6。メタリック系は粘度が高いので、4:6だと少し濃いかも。容器に貯めて牛乳くらいの粘度まで希釈してから塗ると良し。

粉吹き(1分くらい置く)→粉吹き(1分くらい置く)→粉吹き...を4~5くらいやりました。1時間くらいかかってます。

ちなみに、希釈率が高い時は艶が早く出過ぎてしまい、塗→塗に移る時間を10分以上あけなければならないので、上手くいかない時多い気がします。(そんなに時間取れない中でやるなら上記やり方おすすめします)

柄の部分は別で柄を入れるので程々に吹きます。


f:id:Pico_LaboGC:20210908110255j:image

 

工程⑤

黄色に塗る。思いのほか発色が良かったので3回くらい塗り増しして終了。普通に塗るのはなんか面白くなかったので、グリップ先端部に少し金を残すようにしました。


f:id:Pico_LaboGC:20210908110323j:image

 

工程⑤-α

剥がしてみたものの、意外と印象が悪く、配色が上手くいっていなかったのでやり直すことに。思いのほか色が明るくなりすぎてしまい、ロゼッタそのものが薄れてしまった。


f:id:Pico_LaboGC:20210908110313j:image

 

工程 ⑤-α

取り急ぎ色を剥がすことに。今回は600番の耐水紙やすりで研磨した。溶剤にて塗料を溶かすのが面倒だった(というか、作者の手荒れの原因となりかねなかった)ため、削った後再度サフを吹くことに。

ここに来てサフの重要さを実感してしまった。


f:id:Pico_LaboGC:20210908110320j:image

 

工程 ⑤-α

とりあえず白サフでリセット。デザインの変更はないが、金色ベースで再度塗るため、1日間放置する。

当初は黄色を使用していたが、金+シャンパンゴールド(裏地と同色)または銀という組み合わせで塗ることに。


f:id:Pico_LaboGC:20210908110347j:image

 

工程 ⑤-α

デザインを確立。当初白だった模様も色をつけてぼやけを無くせるのではないかと見込んでこの配色に。裏面はそのまま。

黄色→白着色時に厚みが出ないよう気をつけていきたい。白→黄色は星マークがつけにくくなりそうだったため不採用へ。サフ塗りっぱなしはやめ、少し厚みを持たせた加工にしてみる。


f:id:Pico_LaboGC:20210908110340j:image

 

工程⑥
着色へ。オレンジから入る。2時間くらいほっておいた後マスキングを貼り付ける。ちょっと余分に色を重ねてしまった感じがするので、少し長めに乾燥させる。
f:id:Pico_LaboGC:20210908110342j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908110337j:image

 

工程⑦

貼り付け。毎回微妙に顔が変わる女。

f:id:Pico_LaboGC:20210908110349j:image

 

工程⑧
黄色く着色。どうしてもセンターにオレンジが残るので、後日重ね塗りを行う。

今回着色に使用した塗料配分を記す。
・黄色
タミヤフラットイエロー:タミヤホワイト=9:1
・オレンジ
タミヤピュアーオレンジ(そのまま)


f:id:Pico_LaboGC:20210908110333j:image

 

工程⑨

塗り重ねた後剥がした。

ここで当初検討していたグリップ部分の白をオレンジに加工する方向へ変更した。発色の不安さと全体的な色の主張を調整するため変更することに決めた。

f:id:Pico_LaboGC:20210908110318j:image

 

工程⑩

オレンジを塗って剥がした。センターのオレンジを塗った時から日が空いてしまったため、その時のオレンジの配色を忘れてしまった(というか、下地の色の問題で濃くなりすぎてしまった)ので、色に差が出てしまった。自分で書いた"そのまま"の文字を恨みたい。

グリップはグリーングリーンズの星ブロックイメージしていたが、近からず遠からずの出来になってしまった。


f:id:Pico_LaboGC:20210908110252j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908110330j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908110327j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908110257j:image

 

工程⑪

クリア加工。今回はホルツを使ってみた。個人的に使用感の違いはよく分からなかった。若干スプレーの出方がこちらの方が好みかな?と思ったが、艶の出方に関して明確にわかるものはなかった。

重ね塗り回数は6回を超えたあたりから数えていない(多分細かいの入れたら10回くらい)が、過去一慎重にやった。どこまで塗っていいかが本当によく分からないので、見た目が良くなったところで止めた。


f:id:Pico_LaboGC:20210908110310j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908110307j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908110300j:image

 

完成(以下感想)

完成しました!今回は写真撮るの忘れましたが、クリアを厚く塗ったせいでボタンをはめる穴がクリアで厚くなってしまったためにカッターで削り取る必要がありました。見た目はあまり良くないものになりますが、プレイに支障が出る方が問題なので、ある程度動作確認を行った後納品します。

これは余談ですが、私の動作確認の基準を記します。

コンラ
・基板は基本スマforコン(白)
・スティックは使ったフレームによって変える(初~後は初~後スティックを使う等)

確認方法(キャラはピーチ)
・J浮遊キャンセルをミスせず行えるか
・トレモでカブ投げ即死の可否(0%下強始動)
カブトレインの可否

上記で確認を行えば全てのボタンとスティックを使うのでオススメ(?)です。納品時の動作確認根拠としては十分かと思います。リュウケン等コマンドキャラもかなり推奨できます。


f:id:Pico_LaboGC:20210908110325j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908110335j:image

 

 

8th-こんてすと-夏(写真のみ)

f:id:Pico_LaboGC:20210908125659j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908125701j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908125704j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908125654j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908125708j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908125652j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908125706j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908125650j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908125657j:image

9th-りぷぶら(写真のみ)

f:id:Pico_LaboGC:20210908130307j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130249j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130314j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130259j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130311j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130251j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130241j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130237j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130254j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130246j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130244j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130309j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130302j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130257j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130235j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130239j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130304j:image

10th-furoshiki-bule(写真のみ)

f:id:Pico_LaboGC:20210908130249j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130545j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130555j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130538j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130557j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130602j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130550j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130543j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130552j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130559j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130540j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130548j:image

11th-pokemon-reddish-brown(写真のみ)

f:id:Pico_LaboGC:20210908130726j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130733j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130738j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130745j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130721j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130736j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130724j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130731j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130728j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130740j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130748j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130719j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210908130743j:image

PICO PAINT LOG(challenge)

筆者が今まで行ってこなかった塗装に挑戦し、新たな扉を開くための作品を投稿します。不慣れであるために失敗をする場面もありますが、失敗した場合も失敗例として共有できれば良いと考えています。

 

ex-Aegislash-4colors (色違いギルガルド GCコントローラー)

f:id:Pico_LaboGC:20210906182409j:image

こんにちは。

今回はお盆にGCコン写真家が来るということで作成が決まった色違いギルガルドをイメージしたコントローラーとなります。初めてひとつのコントローラーに4色を入れることとなったため、失敗を恐れず取り組んでいきます。

 

①デザインの決定

とりあえず、ギルガルドのパーツを分解し、どうにかGCコンに落とせるよう、大まかなデザインを作成してもらいました。これにそってカッティングマシンに線画を読み込ませてカットしていきます。

 

これが


f:id:Pico_LaboGC:20210906182412p:image

 

こう(神)

f:id:Pico_LaboGC:20210906182433j:image

 

そしてカット

f:id:Pico_LaboGC:20210906182428j:image

 

②下処理1(足つけ)

カット後、下処理を行っていきます(参考:塗るまでにすること(下処理) )

足つけの後脱脂を行います。プラスチック用プライマー※を吹いて15分放置します。

※この工程で使用したもの:アサヒペン プラスチック用プライマー 300ML クリヤ アサヒペン(Asahipen)

https://www.amazon.co.jp/dp/B0013L0WL2/ref=cm_sw_r_tw_dp_T3ZK328W0KS74ENVGNGH f:id:Pico_LaboGC:20210906182350j:image

 

③下処理2(グレーサフ)

下処理の2段階目としてグレーサフ※を吹きます。今回はボデーペンを使用し、表部(画像)、裏面の両方に吹いています。

吹き付け方については 誰でもわかるスプレー塗装のコツ(着色)  のページにて解説した通りに行ってます。下地であっても着色には変わりないですから、抜けがないよう行っています。

※この工程で使用したもの:SOFT99 ( ソフト99 ) ペイント ボデーペン プラサフ 08003 [HTRC2.1] B-34 ソフト99(Soft99

https://www.amazon.co.jp/dp/B00363P6T8/ref=cm_sw_r_tw_dp_QR9S8KZT2AFCWRP909XW


f:id:Pico_LaboGC:20210906182348j:image

 

④下処理3(下地色つけ(表:ゴールド、裏:メタリックレッド))
いよいよ色を入れます。

こちらの工程についても基本の理論は 誰でも解るスプレー塗装のコツ にのっとっています。

使用した塗料はタミヤのチタンゴールド、ピュワーメタリックレッドです。

f:id:Pico_LaboGC:20210906182437j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210906182355j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210906182440j:image

 

⑤マスキング貼り
まず、マスキング及び塗装全体の流れを記載します。

・センター部分、盾の部分、グリップ先端は金色だが、最後に白の縦線を入れるために縦線を別のマスキングで覆う。
・センター目の横に三角の模様、盾部分のボタンとボタンの間に模様を入れる。色は紫でグリップと同じ色。
・グリップ部分の根元は紫(紫の模様と同時に塗装)
・他の部分へはガンメタリックを入れるため、紫を塗った段階でマスキングを行い、全体を塗装。
・最後に真ん中以外を剥がし、目の部分のみを白く塗装。

大まかにはこの通りに進めていきます。途中のミスや変更を想定しながら慎重に進めます。

ここではまず、金色となる部分を覆っていきます。f:id:Pico_LaboGC:20210906182420j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210906182426j:image

 

⑥紫塗装、再マスキング貼り

次の工程で塗装する色の発色が容易なことから、全体を塗る必要はないと判断し部分的に塗装を行いました。

ピュワーレット、ピュワーブルーを4:6くらいの比率で混合し、牛乳くらいの粘度になるまで薄めて塗装しています。今回は下地が金であること、ギルガルドの発色に寄せることを考慮し、青を多めにして色を作っています。

塗り終わったら要所にマスキングを行い、ガンメタリックの塗装に移ります。

著者は色をかなり薄く吹いていますが、マスキングを重ねるときの塗装→塗装間は1日以上放置しています。一日にまとめてやると疲れて精度が落ちるので、工程ごとに日を変えていることが多いです。f:id:Pico_LaboGC:20210906182402j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210906182415j:image

 

⑦ガンメタ塗装

マスキング後、全体的に塗っていきます。今回はタミヤのガンメタリックに少しブラックを混ぜ、できるだけギルガルドに色を寄せています。f:id:Pico_LaboGC:20210906182442j:image

 

⑧マスキング剥がし→白線塗り
ここで一旦全て剥がし、センターの部分以外を全てマスキングやビニールで覆います。

ここでは白の部分が他の色に行かないよう、かなり気をつけながら塗装をしています。オーバーなくらいマスキングを施し、他の部分を守ります。f:id:Pico_LaboGC:20210906182435j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210906182407j:image

 

薄く薄くを繰り返し、塗り切りました。
f:id:Pico_LaboGC:20210906182418j:image

 

⑨マスキング剥がし(2回目)

1度全て剥がして状態を確認します。思ってたより綺麗に塗れて良かったと思います。白線も思いのほか綺麗に塗れたため、このまま仕上げへと移ります。f:id:Pico_LaboGC:20210906182423j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210906182357j:image

 

⑩クリア塗装

クリア塗装を行います。
主な手順は ウレタン)塗った後にすること に記載の通りです。今回はそこそこ上手くいったので、特に手を加えず塗り終わった段階で終了しました。f:id:Pico_LaboGC:20210906182353j:image

 

完成!!!
f:id:Pico_LaboGC:20210906182405j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210906182400j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210906182430j:image

 

いいなと思ったらリツイート、いいねお願いします!!

 

ex-procon-nargacuga(ナルガクルガ Proコントローラー)

こんにちは。

今回はモンハンライズ発売を機にナルガモチーフのコントローラーを作成しようと思い作成しました。時期が重なり#ControllerCustomContestに投稿する形でお披露目となりました。(以下に企画ツイート貼っておきます)

なるべく細かく手順を書いていくつもりですので、参考になれば幸いです。

 

①デザインの決定

とりあえずナルガクルガを線画にしてもらい、大まかなデザインを作成してもらいました。これにそってカッティングマシンに線画を読み込ませてカットしていきます。

f:id:Pico_LaboGC:20210612213337p:image

②マスキングのカット

プログラムに読み込ませた後、手作業で補正していきます。塗装する際に切り分けたい部分や細かな図形を削除し、塗装の実現できる範囲まで簡略化する目的があります。

あまりにも細かい線やパーツはこの段階で削除するとすっきりとした仕上がりになると思っています。

f:id:Pico_LaboGC:20210612214252j:image

③下処理1(足つけ)

下処理を行っていきます(参考:塗るまでにすること(下処理)

1000番の耐水ペーパーで足つけの後脱脂を行います。画像は加工前ですが、Switchの模様が消えるまで削りました。その後、プラスチック用プライマー※を吹いて15分放置します。

※この工程で使用したもの:アサヒペン プラスチック用プライマー 300ML クリヤ アサヒペン(Asahipen)

https://www.amazon.co.jp/dp/B0013L0WL2/ref=cm_sw_r_tw_dp_T3ZK328W0KS74ENVGNGH

f:id:Pico_LaboGC:20210612213444j:image

 

④下処理2(グレーサフ)

下処理の2段階目としてグレーサフ※を吹きます。今回はボデーペンを使用し、表部(画像)、裏面(後に記載のあるシルバー塗装にて示す画像)の両方に吹いています。

グレーサフを塗った理由は以下になります。

・塗装面の均一化

・模様は銀色であり、黒の状態では狙った発色にならないため

白でも良いかなと思いましたが、明るくなりすぎると雰囲気が変わってしまうので少し色を落としてグレーを選択した形です。ぶっちゃけ白でもよかったと思います。

黒は暗くなりすぎるかなと思うので、白またはグレーを選択すると後に楽かなと思います。

吹き付け方については誰でもわかるスプレー塗装のコツ(着色)のページにて解説した通りに行ってます。下地であっても着色には変わりないですから、抜かりなく行います。

※この工程で使用したもの:SOFT99 ( ソフト99 ) ペイント ボデーペン プラサフ 08003 [HTRC2.1] B-34 ソフト99(Soft99

https://www.amazon.co.jp/dp/B00363P6T8/ref=cm_sw_r_tw_dp_QR9S8KZT2AFCWRP909XW 


f:id:Pico_LaboGC:20210612213513j:image

⑤下処理3(下地色つけ(シルバー))

先程の画像と対して変わらないように見えますが、実際にはもう少し金属光沢に近いような光沢があり、シルバーらしい発色をしています。

こちらの工程についても基本の理論は誰でもわかるスプレー塗装のコツ(着色)にのっとっています。

使用した塗料はタミヤのシルバーです。
f:id:Pico_LaboGC:20210612213523j:image

⑥マスキング貼り

マスキングをカットした後、余分な部分をはがします。

その後、転写シートにて貼り付けを行うのですが、今回はシルバー部、赤部と分けて塗装を行うため、先にシルバー部のみ貼り付けを行います。

かなり細かいパーツが多いので慎重に貼りました。ここであまりに細かなパーツを削除し、簡略化をしています。

貼り付けるときの考え方は以下の通りです。

・ナルガクルガとして最低限成り立つところまでパーツを消す

・細かすぎて貼り付けられないものは消す(貼り付けない)

・貼り付きにくい部分は無理せずあきらめる

・赤部の貼り付けを行うときに迷わないよう、ある程度ガイド的な役割ができるよう目印をつける

特に無理しないという気持ちは大切です。作品そのものの難易度を下げることで完成度を上げることができます。
f:id:Pico_LaboGC:20210612213457j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210612213516j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210612213542j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210612213454j:image

⑦下地色つけ(赤)

目の部分を赤く塗ります。

目の部分はしっかり発色するように塗りますが、塗りすぎると厚みがででしまうので見極めながら塗っていきます。

一回当たりに吹きつける量は画像くらいがいい気がします。これより慎重でもいいかなと思いますが、その辺はお好みで。

複数色塗るときのコツですが、とにかくマスキングの剥がれ具合を確認しながら塗るとミスが減ります。

塗り具合4:マスキングの状態6

このくらいの意識配分で作業を進めるとよくなる気がします。

使用塗料はタミヤのレッドです。
f:id:Pico_LaboGC:20210612213431j:image

⑧赤部マスキング貼りつけ

前述したガイドに沿って貼り付けます。

ここの精度はどれだけデザインそのものに仕込みを入れられたかによると思いますので、ミスがないように慎重に貼り付けます。
f:id:Pico_LaboGC:20210612213545j:image

⑨メイン着色

メインカラーのコンセプトは"ナルガクルガのような青黒さ"を目指し色を調合しました。結構時間かけましたが、長くなるので結論だけ記載します。

・使用塗料:タミヤブラック、タミヤピュアブルー

・配合比率:黒9:青1

この比率であの青黒さが出る気がします。写真ではわかりにくいと思いますが、現物は結構青が目立ち、かつ黒の発色が強いような形になりました。

着色手順は前述しているので省きますが、赤を吹いているのでいつもより多く重ね塗りを行いました。
f:id:Pico_LaboGC:20210612213500j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210612213503j:image

⑨マスキング剥がし

マスキングを剝がしました。

結構完璧に近い塗装ができたと思います。

剥がすときに注意することは特になく、ただただ慎重に祈りを捧げながら剥がしていく他にやることはないです。祈りましょう。
f:id:Pico_LaboGC:20210612213447j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210612213436j:image

⑪クリア塗装

クリア塗装を行います。今回は艶消しを行っていくという手もあったのですが、耐久性や実際のクリア塗装を行った状態を見て艶有りのままにしました。

写真では見えにくい部分ではありますが、クリアによって少し色が明るく見えるようになった影響か、コントローラー下部に少しシルバーが残っています。結果的に光の反射によって見えたり見えなかったりとグラデーションのような表現ができています。色に深さを出すことができるので、特に修正せずこのままとしました。
f:id:Pico_LaboGC:20210612213450j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210612213527j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210612213440j:image

⑫完成✨

乾燥させ、組み上げを行って完成です。
f:id:Pico_LaboGC:20210612213520j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210612213538j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210612213507j:image

⑬感想

完成した感想ですが、めちゃめちゃうまくいった塗装かと思います。正直これを超える作品を作るにはまた新たな試みが必要となるのではないかと思います。しかし、課題はまだまだ残っている作品でもあります。簡潔に以下に記します。

・クリア塗装に課題が残った

→もう少し艶出しができるのでは?と思うところが多々あります。現在のベストとはいえ、もう少し改善できるのではないかなと思いってます。

・艶消しのほうがカッコよかったのでは?

→めちゃくちゃ否めないです。めちゃくちゃこだわって作ったものの、あくまでそれは筆者の中に存在するこだわりであって、世間的な評価と比例するものではないのではないかと感じています。

製品として世に出回っているのは艶消しであるし、本当に製品に寄せて純正か!?と世間を騙せるような作品も作ってみたいなと思いました。次も頑張ります。

 

良ければ#controllercustomcontestの作品を見ていただき、リアクションしていただければ幸いです。

 

では!!(2021/6/15 更新)


f:id:Pico_LaboGC:20210612213510j:image
f:id:Pico_LaboGC:20210612213532j:image